Lanai UK-350 Ukulele ブレーシング剥がれ
ボディトップが落ちているとの事で持ち込まれたウクレレ。ウクレレは非常に薄い板材で構成されていますからブレーシングが外れるとトップ落ち等ボディに不具合がすぐにでてしまいます。ボディが歪むとチューニングがあわない・ピッチが悪い・鳴りも悪くなるなどの症状がでます。この個体もブレーシングが3箇所浮いて剥がれていました。
まずはトップ裏のブレーシングからはじめます。ボディ内部に入れた鏡に映っているのが剥がれたブレーシングです。
パレットナイフで接着剤を流し込んでいきます。
24時間クランプして固着を待ちます。
次はサウンドホール横のトップ板の部分。こちらもパレットナイフで接着剤を流し込んでいきます。
こちらも24時間クランプして固着を待ちます。
さて今回のリペアの最難関のブレーシングです。ボディ奥のバック板のブレースが浮いて剥がれてしまっていますがこのソプラノウクレレはボディがとても小さく、まったく手が入っていきません。ジャッキツールもサイズが大きくて使用できませんがつっかえ棒でブレースを押さえ込みます。まずはマスキングテープをパレットにしてタイトボンドを置いて隙間にすり込んでいきます。
かなり難関でしたが特殊な工具を使用してしっかりつっかえ棒を立てる事が出来ました。はみ出たボンドをきれいに拭き取って24時間、固着を待ちます。
トップ落ちはキレイに修正完了しました。
トータルでチェックしてリペア完了です。ブレーシングリペアを施したので、その小さなボディ全体でポロンポロンと良く鳴っています。