Martin HD-28V ナット作成交換&サドル弦高調整
ヘリンボーンにロングサドルが特徴なHD-28Vです。開放弦でビビッてしまうとのことで持ち込まれました。ナットは作成交換して弦高を上げますがサドルは削り弦高を下げます。
さて現状の弦高は6弦12フレット上で約3.25mm。少し高い状態ですね。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.75mm。
トラスロッド調整。
底辺には傾斜がないのですがスロット前にわずかな傾斜があります。このタイプは横からスライドでナットを取り付け・取り外しを行いますが接着剤で強く固められているようです。ルーターで崩し取ることになりました。
まずは塗装との境目にナイフで切れ目を入れておきます。
ナットは崩し取ってしまいますのでオリジナルナットの6弦1弦の位置を書き写しておきます。
ルーターでナットを崩しとっていきます。
ルーターやニッパーを使用して少しずつ崩していきます。
Nut Seating Filesでナットスロットの微調整。
ヘッドの塗装際に盛り上がりが見えますので軽くならしていきましょう。
ヤスリで盛り上がりを削ります。
ポリッシングペーパーで磨いて仕上げます。
牛骨のブランク材から加工していきます。
スロットピッタリに厚み調整完了です。
ナットの形状に削っていきます。
ここで軽く磨いておきます。
マスキングテープにマーキングしておいた6弦と1弦のポイントを書き写します。
専用ゲージを使用して正確な弦間隔をはじき出します。
荒く弦溝を切っていきます。
弦を張って弦高の微調整をして仕上げます。
指板をレモンオイルで保湿&クリーニング。
弦溝角度の微調整などを繰り返してナットが完成しました。
フィンガーボードのRも計測しておきます。
ロングサドルは接着されている物が多く弦高調整はサドルトップで行います。
サドルトップを同じRに仕上げながら弦高を下げていきます。長年のノウハウから弦高下げの分を算出してサドルトップを成形しながら削り取っていきます。
サドルトップの角を落とし丸く仕上げます。
最後に磨き上げます。
ブリッジにレモンオイルで保湿&クリーニング。
ロングサドルの弦高下げ完了です。
最終的に弦高は6弦12F上で約2.4~2.5mm。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.0mm。
全体をチェックしてリペア完了です。開放弦がバズることもなくストレスも解消され、それでいて弦高を下げれたのでプレイヤビリティも格段に向上しました。