Epiphone ES-175 Reissue すり合わせ&メンテナンス

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エピフォンのフルアコの調整リペアです。ギブソンの銘器ES-175のエピフォン版ですがそれってZEPHYR の2PU版じゃないの?などと考えてしまいます。が、モデル名はどうでもいいですね。数奇な運命を辿るブランド「エピフォン」ですがUSAモノからJAPANモノそして韓国製、中国製を経て今はインドネシア製だそうです。このインドネシアって国は日本人に負けるとも劣らない手先の器用な人達が多いのでしょうか?少し前のアジア製のより作りがよい感じがします。技術をレクチャーされているビルダーがスペシャリストなのかも?ですね。と言うのもこの個体なかなか良いトーンをアウトプットするんです!この価格帯でこのサウンド。ウーンあなどれません。

さてそんなエピですがやはり詰めが甘いのか新品なのに特定のポイントでビビッてしまっているのですり合わせを行っていきます。

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まずはロッド調整。

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バズってしまうポイントを計測します。

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バズるポイントを中心にフレットトップが均等になるようサンディングしていきます。

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フレットレベリングファイルは軽く這わせるだけでフレットトップが削れてきますので削りすぎには注意ですが今回は結構ゴシゴシ削っています。

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フレットレベリングファイルで出来たキズを消していきます。アッセンブリー等が傷つかないようにボディにはプロテクト板を取り付けています。

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すり合わせで出来たフレットトップの平面を円くして行きます

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少し解りにくいですが左が処理前の平面が出たフレットトップ。右が処理後の平面を円くしたフレットトップ。1本ずつ丁寧に処理していきます。

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紙やすりで磨いていきます。キズの深い所は#150くらいから始め#1000くらいまで段階的に磨いていきます。

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スチールウールで磨いていきます。輝きが増してきました。

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最終的にコンパウンドで磨き上げてすり合わせは終了です。

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マスキングテープを外していきます。

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指板にたっぷりとレモンオイルを染み込ませます。

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弦高はオーナー様希望の低めの6弦12フレット上で約2.0mmに調整。

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同じく1弦側の弦高は12フレット上で約1.75mm。

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すべての微調整を終えて完了です。フルアコはボディの振動でいたる所で共鳴してしまうモノですがその調整は本当に難しいものです。ABR-1ブリッジのバネの共鳴や各アッセンブリーの振動などなど。基本的にパーツは締め付ければ良いのですがABR-1の共鳴にはマニキュアが効果的です。オクターブ調整後にバネとネジ部分にマニキュアを接着剤の代わりに使用して固めてしまいます。取りたい時もリムーバーで簡単に落とせますからね。お悩みの方はトライしてみては?その場合、自己責任でよろしくです。