Gibson 1946年製 J-50 ブレーシング剥がれ&ブリッジプレート追加リペア
1946年製というJ-50です。もしかしたらJ-45の剥ぎナチュラルかも知れないという個体。同じ頃のJ-50を持った若かりしボブ・デュランの映像がありますね。
幾度も施されたリペアの形跡。すさまじい状態ですが鳴りもすさまじいです!これぞヴィンテージギブソンという個体。
オリジナルであろうスキャロップブレーシング。古いモデルですのでブレーシング剥がれをチェックします。
現状は1箇所のみブレース剥がれが確認できました。
マスキングテープをパレットにしてタイトボンドを置いて隙間にすり込んでいきます。
すばやくジャッキアップしていきます。トップ板やバック板に負担が掛からないように外側からもやさしくクランプします。接着時間はこのまま24時間クランプして固着を待ちます。
弦のボールエンド付近折り返しの巻き弦部分がサドルにのってしまっています。ビビリが発生したりトーンに悪影響がありますので修正しなければいけません。
通常この症状はブリッジプレートが傷むと起こりますがブリッジプレートに痛みは確認出来ません。
弦の巻き部分が収まるブリッジからブリッジプレートを通過するまでの距離を計測したところ充分な厚みが無い事がわかりました。以前にブリッジもブリッジプレートも貼り直されている事から厚みの事を考えずにリペアされてしまったのでしょう。
厚みを稼ぐためメイプルのプレートを追加することにしました。木目はブリッジプレートと同じに合わせてあります。
接着クランプ中。24時間固着を待ちます。
追加のプレートの様子。なるべく音に音質に影響が出ないように少しだけエッジを丸めています。
追加プレートにブリッジピンホールを開けていきます。
弦を張った状態。
リペアの術後は弦の折り返し巻き弦部分はサドルに干渉しなくなりました。
ブリッジリペア後はすさまじい鳴りが以前にも増して驚愕の鳴りに変貌しました。1946年製。昭和21年生まれのギターはまだまだ現役です。