Gibson Les Paul Studio 95年製 ネック折れリペア

ギブソンのレスポールのネック折れのご依頼です。マホガニーのネックは折れやすいと言いますかネック折れのリペアは少なくありません。今回は補強無しタイプでのリペアとなりました。

ネック折れの裂け目にタイトボンドを流し込みます。とにかくまんべんなく奥まで接着剤を塗らなければ接着不良になってしまいますので根気強くいろんな方法で接着剤を流し込みます。

クランプしていくとボンドが溢れてきますので乾かない内に濡れた布で拭き取ります。

クランプして72時間程経過を待ちます。

72時間程経過を待った後に一度、弦を張ってネックにテンションをかけます。接着不良があればこの時点で不具合が発生しますので24時間様子を見ます。

ネック折れの跡はこのように見えてしまいますのでなるべくわからないように折れ箇所の塗装に入ります。

まずは拭ききれなかったボンドを除去します。その後、指で段差を感じないようになるまで折れ箇所をサンディングします。

サンディング済みの折れ箇所。塗装の準備に入ります。

まずはとの粉で導管を埋めます。1度ではなかなか埋まりませんから2~3度繰り返します。

液体マスキングでコーティングしから木部用プライマーを使用して下地処理をしました。

固まった液体マスキングを剥がします。

着色に入ります。チェリー部分はシースルー塗装なので折れ箇所を隠すようにサンバースト風に仕上げます。

着色後クリアを吹くためにマスキングを変えます。

約1週間ほど塗装の乾きを待って仕上げに入ります。#400からはじめて磨いていきます。

水研ぎに入りました。

最後はコンパウンドで仕上げます。艶も出て触り心地も良い感じです。

ヘッド部もコンパウンドでピカピカに。

ペグを取り付けます。

折れ箇所の図。ギブソンにはオリジナルでこの部分がサンバーストになっているモノがありますので違和感は無いと思います。

各部チェックしてリペア完了。ギブソンにはネック折れが多いですが修理を終えるとギターは命を吹き返します。折れた場合は早めの処置をおススメします。