Gibson J-50 67年製 ブレーシング剥がれ&オフセットサドル作成

ボディの割れのふくらみが気になるとのことで持ち込まれたJ-50です。過去に修理された跡がありますが割れにパッチも留めていないので不具合が発生しやすい状態。案の定ブレーシングやブリッジプレートも剥れてしまっていました。取り替えられたブリッジもチューニングに問題がでる状態でしたのでオフセットサドル作成とあわせてハーモニーのキレイな楽器にカスタマイズ&リペアとなりました。

トップブレースばかり4本剥れています。

ブリッジプレートもかなりの浮きがありました。ボディの歪みはブリッジプレート剥れで起こることが多いです。このギターもこれで少し歪みの修正はできるでしょう。

ジャッキアップでブレーシングを接着固定します。トップ板やバック板に負担が掛からないように外側からもやさしくクランプします。

こちらのブレースもジャッキアップでクランプします。

ボディ内部ブレースの修正図。

割れの歪みはパッチが無いと不安ですのでパッチを追加で当てていきます

パッチのクランプ作業中。24時間、固着を待ちます。

割れに沿ってパッチをあてた箇所の修正図。

まずはサドルスロットから。傷みが激しく真ん中でスロットの幅が膨らんでしまっています。

ハカランダの粉を接着剤と混ぜてハカランダペーストを作成します。

シリコンで壁をつくりハカランダペーストを流し込みます。

固着後、形状を整えていきます。

Saddle Routing Jigを使ってルーター作業。

サドルスロットはキレイなフラットに仕上がりました。

イントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。

ここで問題が発生しました。オクターブポイントがサドルスロットを大きく超えています。過去にサドル交換した時に何も考えずにリペアされてしまったのでしょう。

1度スロットを埋めてしまいます。ハカランダのストックは無いですがローズ材を使用します。

バンドソーでカットします。

木材でサドルを作る要領ですね。

タイトボンドで接着します。

固着後ノミやヤスリでブリッジの形状を仕上げていきます。

ブリッジの完成。

こちらはSaddlematicというツール。12フレットからナットまでの距離と12フレットからサドルまでの距離を簡単に計測できるツールです。

元のサドルスロットがお解りでしょうか?こんなにズレています。

新たにイントネーターを使ってサドルスロットの位置を計測します。

スロット加工も施しました。サドルマチックでも位置が合っているのが確認できます。

再度イントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。

フラットファイルで溝ピッタリになるように幅の微調整をします。

スロットピッタリのサドルが出来ました。

フィンガーボードのラジアルを計測して同じRでサドルトップを仕上げます。

オクターブチューニングの位置をサドル材に書き写し、各弦ごとにサドルの頂点を削りだしてオフセットサドルを作成します。

#1500から始めて最終的に#12000まで番数をあげて磨いていきます。

弦高の微調整です。バイストップを平面に計測してから余分なサドルの底辺を削っていきます。

オフセットサドルの完成。

微調整を繰り返して弦高は6弦12F上で約2.3mm。

1弦12Fの弦高は約2.0mmで調整。

各部チェックしてリペア完了です。この個体はブレース等が剥れていてもなかなかのヴィンテージらしいトーンで鳴っていましたがブレースやプレートの接着、そしてブリッジ関係のリニューアルでとても上質なワンランク上のヴィンテージトーンに変貌しました。