Martin 000-28 TOP割れリペア サドル作成
Martinの000-28です。年代を特定するシリアルの写真を撮り忘れてしまいましたが確かオーナー様が90年前後頃とおっしゃっていました。トップにフレイムも出ておりこの頃のMartinはレギュラーラインでもとても良質な材で作られていますね。トップにヘアラインクラックがあるのでその補修とサドルをミカルタ材からヴィンテージボーンに変更となりました。
割れにはパッチをあててこれ以上不具合が進行しないように割れ留めをします。削り出しでパッチを作成します。
フレキシブルアームを使ってボディ奥のトップ板の裏側にパッチを貼り付けていきます。
クランプを使ってパッチを留めていきます。このまま24時間固着を待ちます。
ボディ内部の修正図。
ヴィンテージボーンのスラブ材からサドルを作成していきます。
オリジナルサドルから形状を書き写しておきます。
ここでフィンガーボードのラジアルを計測しておきます。
形状を整えていきます。
フィンガーボードのラジアルと同じRでサドルトップを仕上げます。
サドルトップは滑らかになるように磨いておきます。
弦高の微調整です。バイストップを平面に計測してから余分なサドルの底辺を削っていきます。
サドル底辺は平面性を出す仕上げが音に影響しますのでとても大事です。この後もフラットファイルで微調整をして仕上げます。
サドルの完成。
微調整を繰り返して弦高は6弦12F上で約2.5mm。ストロークしてもバズらないようになるべく低いセッティングに調整しました。
1弦12Fの弦高は約2.1~2.2mmで調整。
全体をチェックしてリペア完了です。ボディ塗装の焼け具合がなんともシブくてカッコいいですね。ヴィンテージボーンに変更してブリリアントなトーンになりました。