Teisco ET-200 ナット交換・配線材交換・ポジションマーク埋め込み

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テスコの古いビザールギターです。60年代頃の古いギターですが問題無くプレイ出来るようにします。

現状トーンが効かないのとチューニングが甘い等、全体的にガタがきている状態ですが手をかければギターは蘇るものです。 この手のビザールはピックアップが甘いトーンでなかなかいい感じなので現代の音楽シーンには溶け込みやすい音かも知れませんね。

まずピックガードのビス穴がすべてバカになっていますので1度穴埋めします。 1箇所のみボディの中でビスが折れていますのでそこは鋼鉄用ドリルビットで折れたビスを崩してから木材で穴埋めしたのち再度、穴あけします。

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もともとの配線ですが一般的な2P.U(テレキャスやジャガー等)の配線と違っています。こうゆう配線の仕方もあるのかも知れませんが一般的な回路に戻します。

POTはCTS250kAカーブ、線材はMOGAMIとベルデン、ジャックはスイッチクラフト、そしてオレンジドロップへと回路パーツは一新することにしました。 シングルPUでサウンドはハイがキツめだったので0.047~0.1uFの中からチョイスしたいと思います。

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回路プレートの裏をきれいにクリーニングします。まず乾ききっているガムテープの粘着部分を削り取っていきます。40年以上も経過すると粘着度はまったく残ってありません。

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ミリ規格のギターですのでインチ規格モノが装着できるよう取付穴をリーマーで拡げます。

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ハイパスフィルターは取り付けず、オレンジドロップは最終的に0.1uFにしました。

ボディに導電塗料が塗られていたのできちんとアースも落としました。 0.1uFのオレンジドロップが1番大きくて中に収めるに苦労しましたが新たにザグリなどはせずに済みました。    

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ノブもミリ規格で取り付けれないので新調しました。 右のクリーム色のノブがオリジナル。レトロ感を損なわないようにアルミトップのモノに変更です。      

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ハードウェアパーツのビスも頭が崩れ回らなくなっていたのを鋼鉄用ビットで崩し取り穴埋めした後に再度装着します。

ブリッジに関してはABR-1等の可動式に変更しようかとも思いましたがオリジナルの動かないブリッジもグレッチのパーツみたいでカッコいいので取り付け位置の変更だけでオクターブを合わせることにしました。

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さて次はナットです。 オリジナルナットは見るも無残に劣化していますので取り外します。

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ナット溝をMicro Chisels(マイクロ彫刻刀)でキレイにクリーニングします。

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ナットスラブをピッタリ合うように成形していきます。 今回は牛骨を使用します。

ストックは牛骨とTUSQですがご要望があればミカルタ等の他素材にも対応します。      

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弦溝の間隔を精密に測れるレールを使ってナットにマーキングします。

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0フレットがあるギターですのでナットでの弦高はさほどシビアにならなくて済みますがテンションバーに向かっての角度には気を付けて溝を切ります。

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新しいナットを上から見た図です。 劣化の激しかったオリジナルナットから生まれ変わりました。

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このギターのネックのフレットボードにはサイドドットがありません。 演奏性向上のためにサイドドットを埋め込みます。

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サイズ3/32のホワイトパールを埋め込みます。          

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ネックを固定してマスキングテープにマーキングしたポイントにおなじく3/32ビットで穴を掘ります。

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タイトボンドでホワイトパールを装着します。 隙間がある場合はローズウッドペーストを流し込み固着後に整えます。 横から見るとまるでフェンダーのギターのようです(笑)      

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すべての工程を終えました。 40~50年経過したギターですのでいわゆる枯れていて生音でもかなり鳴っています。 手をかけてまだまだ現役で使用出来るようになりました。