TAYLOR 810 00年製 オフセットサドル作成交換 PU交換
910モデルと共にテイラーのトップランクに位置するモデル810です。現状のPUに不具合が発生したため交換と共にオフセットサドル(オクターブ補正サドル)に製作交換となりました。
現状サドルはピッタリではなく指でさわるとグラグラします。これでは良いトーンは期待できません。
不具合が発生したB-bandのピエゾ素子。
プレートで弦アースが落とされていますが6弦部が曲がってしまっています。
以前に取り付けられた際にはプレートを接着後にホールが開けられたようですが6弦の穴が小さかったようです。なので折れ曲がっていたのでしょう。リーマーで広げていきます。
バリ処理もキチンと行います。
セッティングした図。各弦共キレイに収まりました。
新しくセットするPUはFISHMAN社のMATRIX INFINITY。このPUのプリアンプ基盤にはグランドを落とす所がありますのでプレートの弦アースを落とします。
MATRIX INFINITYにはコントロールが付いています。サウンドホールにプレートを配置。
永年の使用でフィンガーボードに汚れが溜まっています。
揮発性の高いZippo OILでフィンガーボードをクリーニング。
ヴィンテージボーンのスラブ材からサドルを作成していきます。
フラットファイルで溝ピッタリになるように幅の微調整をします。
スロットピッタリのサドルが出来ました。
ここでフィンガーボードのラジアルを計測しておきます。
フィンガーボードのラジアルと同じRでサドルトップを仕上げます。
オフセットサドルの依頼ですのでイントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。
計測したオクターブ補正位置をサドル材に書き写し、各弦ごとにサドルの頂点を削りだしてオフセットサドルを作成します。
#1500から始めて最終的に#12000まで番数をあげて磨いていきます。
弦高の微調整です。バイストップを平面に計測してから余分なサドルの底辺を削っていきます。
いろんなヤスリを使って仕上げていきます。
サドル底辺は平面性を出す仕上げが音に影響しますのでとても大事です。
オフセットサドルの完成です。
微調整を繰り返して弦高は6弦12F上で約1.9~2.0mm。オーナー様はとても柔らかいタッチの持ち主です。このセッテイングでもバズりません。
1弦12Fの弦高は約1.7~1.8mmで調整。
全体をチェックしてリペア完了です。オフセットサドルへ変更した事によってどのポジションのコードもキレイにハーモニーしています。