Epiphone Elitist Casino ネック折れリペア
ロックの歴史の中でこのギターは常に存在してきましたね。エピフォンはNY時代のオリジナルからギブソン傘下になって、その後70年代に入り日本製となりその後はアジアを転々としているという数奇な運命を辿ったブランドですがこちらは近年モノの日本国内製産によるクオリティーの高いカジノです。ギブソンタイプに多いネック折れの症状で持ち込まれました。
ひびが入ったような状態のネック。塗装もひびに沿って欠けています。せっかくのEpiphone Eliteデカールが消えてしまうのは寂しいので割れ跡は見えてしまいますが塗装はタッチアップで仕上げる事になりました。
折れ箇所はひび割れているだけの感じですので気をつけながらクランプで割れの口を拡げます。
少し薄めたボンドを割れ箇所の奥深くまで注入します。
クランプして行くとボンドがどんどん溢れてきますので乾かないうちに拭き取ります。
クランプしてヘッドにもテンションをかけて72時間程経過を待ちます。
72時間程経過を待った後に一度、弦を張ってネックにテンションをかけます。接着不良があればこの時点で不具合が発生しますので24時間様子を見ます。
接着の強度は大丈夫のようです。それではタッチアップ塗装に入ります。
指で段差を感じないようになるまで折れ箇所をサンディングします。
塗装欠け部分に着色します。その後、数日かけてラッカーを厚く塗っていきます。
数日掛けてラッカーを充分に乾かした後に仕上げに入ります。スクレーパーで余分なラッカーを削いでいきます。
サンドペーパーの番数を上げて滑らかにしていきます。
最後はコンパウンドでピカピカに仕上げます。
ネック折れリペア完了しました。
チェック時にとんでもない程のビビリが発生していました。問題箇所を見つけるのに苦労しましたがPUカバーのハンダが外れているのを発見! 直ちに補修しましょう。
こうゆうポイントはなかなかハンダが乗りませんのでフラックスを使用して着実にハンダ留めします。
全体をチェックしてリペア完了です。ネック折れ修理を経てまたギターとしての息を吹き返しました。