Ovation Pinnacle 386T ナット作成交換 ヘッド塗装欠けタッチアップ

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90年代前期のわずかな間にだけ日本で製作されたOvation Pinnacleシリーズの386Tです。ナット作成のほかにヘッドに少し大きめの塗装欠けがあるのでタッチアップで塗装を復元します。

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まずは塗装欠けの修復から。ヘッドはよくぶつけてしまいがちですね。塗装が欠けて木肌が見えています。

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ステインを配合して着色していきます。

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着色後ラッカーを盛っていきます。

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こうゆう角度のある所は7~10日間ほどかけて少しずつラッカーを塗り盛り上げていきます。

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数日かけてラッカーを盛った図。クリアが盛り上がっているのが解りますでしょうか?

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その後、ラッカーを数日間、充分に乾かしてから削り取り仕上げに入ります。。

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細かいサンドペーパーからコンパウンドまでを使って磨き上げました。

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パッと見ただけでは塗装欠けは無かったかのように仕上がりました。

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プラスチック製のオリジナルナット。ナット材を変更して音質の向上改善を狙います。

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底辺に傾斜がありスロットにもわずかな傾斜があります。このタイプは横からスライドでナットを取り付け・取り外しを行います。ナット作業の中でも非常に難度が高く、正確な作成技術が必要とされるスロットです。

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ナットをスライドで外したあとスロットに付着している接着剤の残りをマイクロノミで除去します。

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ナットスロットが仕上がりました。

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スラブ材からナットを作成していきます。

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スロットに合わしながら少しずつ形を整えていきます。

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スロットにピッタリ合ったらここで表面を磨いておきます。

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ナットスロットにピッタリと収まっていますね。この仕上げが良いトーンを生みだします。

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同じく1弦側。密着度が高く弦振動が良く伝わり、結果トーンの向上が期待できるのですね。

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オリジナルナットから6弦1弦の位置を書き写します。

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String Spacing Ruleで正確な弦間隔をはじきだします。

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ストリングリフターで弦を逃がしながら弦溝角度調整しながら弦溝を切っていきます。

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微調整などを繰り返してナットが完成しました。

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全体をチェックしてリペア完了です。オーナー様はニッケル弦を張って使用するとの事です。ブロンズ弦では出ないトーンもなかなか面白くていいですね。