Takamine Order-Made 弦高調整&ストラップピン跡埋めタッチアップ
オーナー様が自ら注文して制作されたタカミネのオーダーメイドモデル。弦高を下げる調整とストラップピン移動で開いたままの穴を塞ぐことになりました。
ストラップピンの穴は結構目立ってしまいますね。
穴を塞ぐ材をホンジュラスマホガニーから切り出します。
少しずつ整形していきます。
ボール盤で回転させながら円筒状に削っていきます。
ピン穴にたっぷりとタイトボンドを注入します。
マホ材を接着。
接着固定したら余分な所をカットします。
整形後、着色に入ります。
数日かけて少しずつラッカーを塗り盛り上げていきます。
その後、ラッカーを数日間、充分に乾かしてから削り取り仕上げに入ります。
余分なラッカーを削り取りサンドペーパーの番数を上げて滑らかにしていきます。
最後はコンパウンドでピカピカに仕上げます。
埋め木の完了です。
現状の弦高は6弦12フレット上で約2.6mm。オーナー様のタッチはとても柔らかい感じでしたのでまだ弦高は下げれると判断しました。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.25mm。
1~2弦と3~6弦のサドルが分離しているタイプのブリッジ。
フィンガーボードのRも計測しておきます。
オーダーモノですので丁寧な作りですね。ラジアル通りにサドルトップは仕上げられています。
マスキングテープに分離しているサドルを乗せてズレないようにします。長年のノウハウから弦高下げの分を算出してサドルの底辺を削り取っていきます。
数種類のヤスリでサドルの底辺を削りフラットに仕上げます。
1~2弦用のサドルも同じように底辺を削りフラットに仕上げます。
サドル底辺は平面性を出す仕上げが音に影響しますのでとても大事です。
分離サドルですが調整時にズレる事も無く、サドルトップはフィンガーボードと同じRで仕上げてあります。
最終的に弦高は6弦12F上で約2.0mm。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約1.8mm。元の弦高から比べるとプレイヤビリティは格段に向上しています。
全体をチェックしてリペア完了です。オーダーメイド物でしたので丁寧な作りのギターでした。オーナー様のプレイに合わせた調整を施しましたので完璧な自分専用ギターになりましたね。