Martin D-18V ボディタッチアップ ロングサドル弦高調整

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ロングサドルがとてもカッコイイ感じのD-18Vです。ブリッジや指板周りにラッカー処理の不具合からか塗装の傷みが見受けられます。タッチアップで塗装の補修と弦高調整のご依頼です。

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ヘッドにも傷がありますね。ストリングワインダーで傷めてしまったようです。まずはヘッドから補修しましょう。

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マホガニー材にステインを塗って着色の配合を決めていきます。

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ステインの配合が決まったら傷箇所に着色。

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その後ラッカーを厚塗りしていきます。盛っていくといった感じです。数日かけて塗膜を作ります。

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塗膜が出来てから数日掛けてラッカーを充分に乾かした後に仕上げに入ります。ここまでに10日~2週間程かかります。ラッカー関係は焦ると失敗しますので充分な期間をもって作業します。

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ポリッシングペーパーで磨きあげます。

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仕上がりました。

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ボディ塗装の傷み箇所をチェックしていきます。ブリッジ際の塗装がめくれているという感じです。

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ブリッジ周りの傷み箇所。

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ブリッジ周り右下の傷み箇所。

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ブリッジ周り左下の傷み箇所。

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指板周りの傷み箇所。

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同じく1弦側の指板周り傷み箇所。

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ミニのみで塗装の傷みを削ぎ落としていきます。

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同じように指板周りも塗装の傷みを削ぎ落としていきます。

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こちらも数日掛けてラッカーを厚塗り後、充分に乾かして仕上げに入ります。デザインナイフでマスキングに乗ったラッカーを切っていきます。

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カミソリやスクレーパーで塗装をフラットに削いでいきます。タッチアップ関係では削ぐというのが一番難しい作業です。

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同じようにブリッジもデザインナイフでマスキングに乗ったラッカーを切っていきます。

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削ぎ作業。

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最後はコンパウンドでピカピカに仕上げます。

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パッと見ただけでは塗装傷は無かったかのように仕上がりました。

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同じく1弦側。

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ブリッジ周りもこの通りキレイに仕上がりました。

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ブリッジ周り右下もこの通り。

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傷など無かったかのように仕上がりました。

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さて現状の弦高は6弦12フレット上で約3.25mm。少し高い状態ですね。

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同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.5mm。

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フィンガーボードのRも計測しておきます。

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ロングサドルは接着されている物が多く弦高調整はサドルトップで行います。

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サドルトップを同じRに仕上げながら弦高を下げていきます。長年のノウハウから弦高下げの分を算出してサドルトップを成形しながら削り取っていきます。

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サドルトップの角を落とし丸く仕上げます。

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最後に磨き上げます。

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ブリッジにレモンオイルで保湿&クリーニング。

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ロングサドルの弦高下げ完了です。

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最終的に弦高は6弦12F上で約2.4~2.5mm。

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同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.0mm。元の弦高は高めでしたのでプレイヤビリティは格段に向上しています。

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全体をチェックしてリペア完了です。弦高もちょうど良いアクションでストロークでもフィンガーでもストレス無く弾けるようになりました。