Gibson J-45 Rose Wood 06年製 オフセットサドル作成交換・ナット調整・ブレース剥れ他
ローズウッドSideBackのJ-45です。やはりマホよりリッチなトーンのJ-45ですね。現状の弦高が高いのでサドル作成交換の他メンテナンス、またチェックした所ブレースの剥れも確認しましたので補修、現在付いているPUを取り外しのご依頼です。
オリジナルでゴールドグローバーペグ搭載。重厚な印象です。
ブレースの剥れ箇所。バックに2ヶ所確認できました。
マスキングテープをパレットにしてタイトボンドを置いていきパレットナイフで隙間にすり込んでいきます。
ボンドが乾かないうちに濡れた布で拭き取ります。
ブレーシングのジャッキアップ。ジャッキアップでトップ板やバック板に負担が掛からないように外側からもやさしくクランプします。
さて現状の弦高は6弦12フレット上で約4.0mm。かなり高い状態ですね。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約3.0mm。
トラスロッド調整。
スラブ材からサドルを作成していきます。
フラットファイルで溝ピッタリになるように幅の微調整をします。
スロット端のR部分の処理。
スロットピッタリのサドルが出来ました。
ここでフィンガーボードのラジアルを計測しておきます。
イントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。
計測したオクターブ補正位置をサドル材に書き写し、各弦ごとにサドルの頂点を削りだしてオフセットサドルを作成します。
オクターブの調整が出来ましたら磨いていきます。
弦高はサドル底辺の加工で微調整します。長年のノウハウから弦高下げの分を算出してサドルの底辺を削り取っていきます。
ギリギリまでサドルの高さを削ったのでテンションはほとんど無くなってしまいます。ブリッジピンホールの弦溝をサドル近くまで伸ばしてテンションを稼ぎます。
専用のミニソーでスロット近くまで弦溝を引寄せます。
ミニソーの後に専用やすりで滑らかに仕上げます。
オフセットサドルの完成です。
フィンガーボードのラジアルと同じRでサドルトップは調整。
3フレットを押さえて1フレット上にできる隙間ギリギリまでナットの弦高調整をします。
ストリングリフターで弦を逃がしながら弦溝角度調整しながら弦高を下げます。
微調整を繰り返してナット作業も完了です。
最終的に弦高は6弦12F上で約2.3mm。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約1.8mm。元の弦高はかなり高めでしたのでプレイヤビリティは格段に向上しています。
オリジナルでPU装備モデルですが使用しないのでエンドピンジャックから通常ピンに変更の希望です。
USAには、このような時に取り付けるピンが存在します。
ボディ内部からビス留めします。簡単ですが少しだけオーバーサイズで作られていて少し加工が必要でした。
ここが通常ピンだと生ギター感が増しますね。
全体をチェックしてリペア完了です。サドル材の変更で音質もジャキッとしたギブソントーンになり、アクションも低い状態に調整しましたのでかなり弾きやすくなりました。ブレース補修もされてボディ全体で鳴っています。