Martin D-28 70年製 マーチンクラック&ピックガード再生・エンドトリム接着・タッチアップ他

DSCF6221

ピックガードが伸縮してしまう70年代製のマーチンに多いマーチンクラックと呼ばれるリペア依頼です。オーナー様はピックガードの伸縮はまだ軽度なので出来れば調整して使用したいとのご希望です。そのほかブレースの欠けやエンドトリムの剥れ、トップ傷のタッチアップ、ブリッジ浮き等のリペアとなりました。

DSCF6222

ピックガードが0.5mm程縮んでいるのが確認できますね。

DSCF6226

ブリッジに浮きが確認出来ます。 

DSCF6228

トップの傷箇所。

DSCF6229

別箇所の擦り傷。

DSCF6230

エンドトリムが剥れています。

DSCF6231

まずはドライヤーでピックガードを温めます。

DSCF6232

少し柔らかくなったところでパレットナイフで剥がしていきますが力が強すぎるとトップ板を傷めてしまいますので注意が必要です。

DSCF6233

キレイに剥がれました。分かりづらいですがマーチンクラック(板割れ)も確認出来ました。

DSCF6235

ここでブリッジ浮き補修に入ります。

DSCF6236

マスキングテープで養生して液体膠をすり込みます。

DSCF6237

こちら側もすり込み。

DSCF6238

クランプすると接着剤がどんどんはみ出してきますので乾く前にキレイに除去します。

DSCF6239

しっかりとクランプして固着まで24時間待ちます。

DSCF6661

 ブリッジ浮き補修の完了。

DSCF6285

エンドトリムが剥がれています。バインディング専用の接着剤を使用して補修します。

DSCF6283

このように固定して固着を待ちます。

DSCF6286

バック側も固定して24時間固着を待ちます。

DSCF6287

エンドトリム箇所リペア完了です。

DSCF6288

マーチンクラックの修正。割れの強度と再発の予防にはパッチを使用します。スプルースからパッチを作り貼り付ける位置を確認しています。

DSCF6289

ボディトップ板の裏側にパッチを貼り付けていきます。

DSCF6290

クランプを使ってパッチを留めていきます。

DSCF6291

ボディ内部の修正図。

DSCF6292

スプルースペーストを作りわずかな割れの隙間を補修します。

DSCF6454

ピックガード跡に沿って塗装が盛り上がっています。塗装の盛り上がりを削って平面に整えておきます。

DSCF6455

オリジナルピックガードを仮置きしてみます。

DSCF6456

経年劣化の収縮から全体的に0.5mm小さい感じです。

DSCF6457

焼けた飴色を再現するために作ったラッカーを塗っていきます。

DSCF6459

そのまま傷にもタッチアップ。数日かけてラッカーを厚く塗っていきます。

DSCF6619

数日掛けてラッカーを充分に乾かした後に仕上げに入ります。余分なラッカーを削り取ります。

DSCF6621

サンドペーパーの番数を上げて滑らかにしていきます。最後はコンパウンドでピカピカに仕上げます。

DSCF6642

タッチアップ完了です。

DSCF6657

傷箇所のタッチアップも完了。

DSCF6413

オリジナルピックガードの歪みを修正していきます。

DSCF6414

逆に反っている箇所を矯正。輪ゴムで引っ張っています。実際には2-3週間この状態でした。

DSCF6643

どうにか矯正できました。両面テープをピックガード裏に貼り付けていきましょう。

DSCF6644

ピッタリサイズにカットします。

DSCF6645

裏紙をペロッとめくり貼り付けます。

DSCF6646

貼り付け完了です。

DSCF6648

タッチアップしたので収縮していてもあまり違和感が無く仕上がりました。 

DSCF6408

ブレースの欠けが解りますでしょうか?裂けているような状態です。

DSCF6411

スプルースペーストを作りました。

DSCF6412

 ペーストを欠け箇所にパテ盛りして完了です。

DSCF6649

サドルは底辺の加工が甘い状態ですので修正していきます。

DSCF6650

フラットになるように調整加工。

DSCF6651

ほとんど弦高は下げていませんが現状はテンションがほとんど無い状態。ブリッジピンホールの弦溝をサドル近くまで伸ばしてテンションを稼ぎます。

DSCF6652

専用のミニソーでスロット近くまで弦溝を引寄せます。

DSCF6653

ミニソーの後に専用やすりで滑らかに仕上げます。

DSCF6654

弦誘角度溝を切り込みテンションは稼げました。

DSCF6656

 全体をチェックしてリペア完了です。オリジナルピックガードを修正したので違和感も無く仕上がりました。サドル底辺の加工を少ししただけでボディ全体から鳴るようになりました。