Ovation 1992 Collector Series Model ブリッジ一体型サドル作成
オベーションの限定生産モデルのコレクターシリーズ ‘92です。トップ板がゴージャスですね。弦高が高いので低いアクションにする為にブリッジ周りをカスタムしていきます。
オリジナルサドルの構造はピエゾセンサーを埋め込んだスポンジ状の上にプラスチックのカバーでサドルにしています。当時のハウリング対策等でこうゆう構造になったのでしょう。生音の音質向上改善のためにも牛骨でサドルを作る事にしました。
オリジナルPUサドルにいつでも戻せるように新たにサドル一体型PUを作成します。
さて現状の弦高チェック。6弦12フレット上で約2.8mm。少し高めですね。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.4mm。
ブリッジはこのようになっています。この溝ピッタリにマホガニーでブリッジ台座を作成します。
スロットのザグリでブリッジ材が薄く残っていますので除去していきます。
ジャックホールを少しだけ拡げます。
ブリッジスロットの調整完了。
ブリッジと同じ素材のホンジュラスマホガニーから切り出します。
適度な大きさにカット。
カットしたスラブ状のマホ材を加工していきましょう。
フラットファイルで溝ピッタリになるように幅の微調整をします。木材でサドルを作る要領ですね。
スロットピッタリの台座が出来ました。ノミで荒く削り取ります。
ヤスリでブリッジの形状を仕上げていきます。
サンドペーパーで仕上げていきます。
少しオイルフィニッシュしましょう。
ブリッジの完成。いつでもオリジナルに戻せるように接着はしません。
イントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。
新しくサドルスロットを掘ります。Saddle Routing Jigを使ってルーター作業。
オリジナルサドルと見た目も同じようなタイプにするため6mmのスロットを掘りました。
再度イントネーターを使ってオクターブチューニングの位置を計測します。
オーバーサイズのヴィンテージボーンスラブ材からサドルを作成します。
フィンガーボードのラジアルを計測して同じRでサドルトップを仕上げます。
オクターブチューニングの位置をサドル材に書き写し、各弦ごとにサドルの頂点を削りだしてオフセットサドルを作成します。
新しいPUピエゾ素子に2.5 Ø のプラグを配線します。
ピエゾ素子にはFISH MAN社製のアンダーサドルPUをチョイスしました。
弦高の微調整に入ります。バイストップを平面に計測してから余分なサドルの底辺を削っていきます。
サドル底辺は平面性を出す仕上げが音に影響しますのでとても大事です。
弦高はオーナー様ご希望の低いアクションです。6弦12フレット上で約1.8mm。
同じく1弦は12フレット上で約1.5mmくらいで調整。
見た感じオリジナルに近いオフセットサドルが出来上がりました。
全体をチェックしてリペア完了です。サドル材の変更で生ギターとしてのポテンシャルは最大限に引き出せたようですね。オベーションのイメージも残りつつブリリアントにハコ鳴りしています。もちろんラインアウトされた音色もその鳴りを増幅しているのでバージョンアップされたトーンです。