Famous Ukulele FS-5 PU取付・ナット&サドル作成交換
国産ウクレレの老舗ブランドFamousのFS–5です。オーナー様はこのウクレレと一緒に旅をしてきたとの事で、寄せ書きや想い出のシールがいっぱい貼られています。LIVEでの取り回しの良いようにピックアップの取付の御依頼です。あわせて音質向上を狙ってサドル&ナット材をヴィンテージボーン(牛骨)へと作成交換となりました。
オリジナルのサドルはプラスティック製。トーンの違いの確認の為にも一度プラサドルでも弦高調整して牛骨でも作成します。
フィシュマン製のウクレレ用アンダーサドルPU。
適正な位置に穴を開けてPU素子を取付ます。
12mmドリルビットでエンドピンジャック穴を開けます。
12mmリーマーで穴をキレイに仕上げます。
PUのケーブルを適切な長さにカットしてハンダ作業。フィッシュマンのPUは信頼性の高いスイッチクラフト製のジャックが標準装備されています。備品の品質を保つブランドですね。
エンドピンジャックを取り付けます。
PU素子の分だけ削り取り作業。
滑らかに仕上げます。
オリジナルのサドルはプラスチック製でしたのでやはり圧が均等にかかりませんでした。インブリッジタイプのPUは圧が均等にかからないとパフォーマンス精度が下がりますので新しくスラブ材からピッタリのサドルを作成していきます。
スロッットピッタリに仕上げました。
オリジナルと同じオクターブ補正位置をサドル材に書き写しサドルの頂点を削りだしてオフセットサドルを作成します。
オクターブの調整が出来ましたら磨いていきます。
サドルの完成。
アンダーサドルPUはデリケートなセッティングが要求されますのでアウトプットされる弦バランスの微調整を念入りに行います。
PUを取り付けたサドル周りの完成。
ナットもオリジナルはプラスチック製ですので牛骨に交換します。
木を当ててからハンマーで軽く叩いてナットをはずします。
Nut Seating Filesでナットスロットの微調整。
わずかなナットスロットが出来上がりました。
スラブ材からナットを作成していきます。
スロットピッタリに厚み調整していきます。
ナットスロットにピッタリ収まるように成形した後おおまかなサイズにカットしていきます。
形を仕上げていきましょう。
スロットにピッタリと収まったナット。この仕上げが良いトーンを生みだします。
同じく1弦側。密着度が高く弦振動が良く伝わり、結果トーンの向上が期待できるのですね。
オリジナルナットから6弦1弦の位置を書き写します。
ここで磨きあげて仕上げます。
ナット工程は完了です。
全体をチェックしてリペア完了です。ナット&サドル材の変更でレスポンスも良くカラっとした鳴りに音質向上できました。PU取り付けも行いLIVEでも粒の良いラインアウトされた音で演奏できますね。