Fender/J Jaguar Jシリアル期 アッセンブリー交換・ナット作成交換・他 オーバーホール
Jシリアル期のジャガーです。89年製ですね。全体的にヤレていますのでオーバーホールとなりました。全てのパーツを取り外し分解してクリーニング。交換が必要なパーツはVerUPして音質向上を狙います。
まずはアッセンブリー回路から。メタルパーツはコンパウンドで磨き上げます。
POT・ジャック・スイッチは交換して音質向上を狙います。CTS社製POTにスイッチクラフト製ジャック、スイッチはプレートのネジ穴がミリ規格ですのでアルファ製をチョイス。キャパシタは3個全てロシアンミリタリー製に、線材は抜けが良いようにベルデン22AWGに交換です。
Japanモノですのでコントロールプレートはミリ規格です。インチ規格用にPOT取付穴をリーマーで拡げます。
PUワイヤーも交換しましょう。
PUワイヤーはUSA製を意識してクロスワイヤーに交換。
コントロールプレートの完成図。
スイッチプレートの完成図。
フロント独立回路の完成図。ロシアンミリタリーはサイズが大きめでしたが取り付け位置を移動配置してボディのザグリがないようにしました。
ナットを取り外しました。
ナットスロットに付着している接着剤の残りをマイクロノミで除去します。
ナットスロットのクリーニング完了。
ヴィンテージボーン(牛骨)のスラブ材からナットを作成していきます。
スラブ材をスロットピッタリに厚み調整していきます。
スロットピッタリに厚み調整完了です。
ナットスロットにピッタリ収まるように成形した後おおまかなサイズにカットしていきます。
おおまかなサイズにカットしていきます。
形状の確認。
形状の仕上り。
オリジナルナットから6弦と1弦のポイントを書き写し、専用ゲージを使用して正確な弦間隔をはじき出します。
弦溝の微調整後に磨き上げて仕上げます。
ナットが完成しました。ヴィンテージボーンのこの艶と飴色がギターによく映えますね。
整形後のナットです。6弦側面から見た様子です。きっちりと溝に収まっているのが確認できます。
同じく1弦側。こちらもきっちりと溝に収まっているのが確認できます。この仕上げがいいトーンが生み出します。
シンクロナイズド・フローティング・トレモロユニットも分解洗浄します。
ピカピカに磨き上げます。
ブリッジも分解洗浄します。
シンクロナイズド・フローティング・トレモロの難点はフローティングブリッジのグラツキでしょう。ロックするには固定ブリッジの方が何かと不具合がありませんので足部分を少しだけカスタム。
このテープがあるだけで遊びが無くなりチューニングが安定します。どこかのメーカーでピッタリサイズのこのスペーサーが販売されればいいんですけどね。
ジャガーのもう一つの難点はやはり弦落ちでしょう。ブリッジとテイルピースの距離が長いためにテンションが緩いのですね。弦溝を掘って弦落ちにも対応します。
ネックのラジアルにあわせて各弦の弦高も微調整します。
オクターブチューニングも計測します。
ブリッジ工程の完了です。角度も計算に入れていかないとビビリの原因になりますので細かな微調整が必要なブリッジですね。
PUバランスも調整。
パーツ・ボディの磨き上げを施してとてもキレイになりました。
1弦ペグのカバーが歪んでいます。このままではガタガタして安定しませんので修正します。
歪み部分をプレス修正。
ペグポストの修正完了。
全体をチェックしてリペア完了です。回路のVer.UPで音も太く抜けも良くなりました。フジゲン製時代のフェンジャパは造りも良く人気があるのもうなずけます。