MORRIS S-20TS ナット・サドル弦高下げ&ブリッジピン角度調整

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愛器を弾きやすくしたいと思うのはすべてのプレイヤーの願いだと思います。通常販売されているギターはプレミアムギターやヴィンテージギターなどの専門ショップでないと微調整は行われていません。それは弾き方によってセッティングはいろいろだからです。ボトルを使う人やハードアタックなストロークで弾く人なら弦高は高いほうがいいですしフィンガーピッキングな人なら低いほうが良いとか、鳴りに関しても高いほうがより鳴りますしね。

とは言え、あとは各々にまかせますといった弦高のせいでFのフォームが弾けずにギターを断念した方も多いでしょうね。今回のギターもそういったお悩みを解決すべくの弦高下げ調整の依頼です。

ナットの弦溝もとりあえず切ってありますといった状態です。

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3フレットを押さえた時に1フレットとの隙間がほんのわずかあるのが理想です。

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指で1フレット上を押さえるとコツコツと鳴ります。まだまだ下げれる状態です。

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6弦12フレット上で3.5mmもあります。一般的に理想は2.2mm~2.8mmといったところでしょうか。

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同じく1弦側では3mmもあります。こちらの理想は1.6mmから2.4mmくらいですね。

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ハイコストパフォーマンスなギターなので仕方ないのですがブリッジピン角度も切ってない状態です。

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まずはサドルの底面を削っていきます。

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サドルに線をひき余分な高さの分カットします。

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牛骨ではない練り物で出来たサドル材。硬い素材に変更が望ましいですが予算の都合等で今回は現物を加工します。柔らかい素材なのであっという間に削れていきます。

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余分な所をカットしました。

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その後フラットファイルで底面をきれいな平面にします。

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このままではテンションがなくなりビビりが発生してしまうのでブリッジピンホールに弦の角度溝を切っていきます。

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まずは専用ミニソーでサドル側に引き寄せる溝を切ります。

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弦のエンド部の巻いている所 がひっかからないようにミニルーターでなめらかに拡げます。

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次はナットです。ストリングリフターで弦を逃がしながら弦高角度微調整を行っていきます。

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施工後の写真です。1枚目の施工前と比べても目視ではわかりずらいくらい実際に削る溝はほんのわずかですがプレイヤビリティは格段に向上します。

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3フレットを押さえた時の1フレットとの隙間が理想の高さになりました。

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6弦12フレット上で約2.3mmになりました。一般的に理想の範囲になりました。

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同じく1弦側です。こちらも理想的な2.0mmまで下がりました。

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弦を張って終了です。バレーコードの時でもさほど握力もいらないくらいにとても弾きやすくなりました。