Martin 000-28 2004年製 PG交換・弦高調整・ヘッド打痕タッチアップ

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定番サイズのオーディトリアムの28です。ブラックピックガードから鼈甲柄にイメージチェンジするのと弦高調整、打痕の補修のご依頼です。

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まずはPGから。オリジナルの黒PGを剥がします。

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まずはドライヤーでピックガードを温めます。

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少し柔らかくなったところでパレットナイフで剥がしていきますが力が強すぎるとトップ板を傷めてしまいますので注意が必要です。

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剥がれました。

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この年代のPGは両面テープで貼られています。薬品を使用するとトップが傷みますので少しずつ寄せて除去するしかありません。指はボロボロになってしまいますが根気強く剥がしていきます。

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キレイになりました。

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オーバーサイズ000専用の鼈甲柄ピックガードをチョイスしました。

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オーバーサイズのピックガードなので塗装の焼け跡も少し隠すように位置を調整してピックガードを貼り付けます。

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鼈甲柄もカッコいいですね。最近のマーチン純正モデルの鼈甲柄はプリント物で少しチープですがこちらのPGは高級感があります。

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ヘッドには打痕があり、この状態。

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タッチアップ作業で極力、打痕を目立たなく修正します。数日かけてラッカーを盛っていきます。

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ラッカーを充分に乾かした後に仕上げに入ります。余分なラッカーを削り取ります。

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タッチアップ作業完了。

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打痕は目立たなくなりました。

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さて現状の弦高チェック。6弦12フレット上で約3.0mm。少しだけ高めですね。

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同じく1弦側の弦高は12フレット上で約2.5mm。

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弦高はサドル底辺の加工で微調整します。長年のノウハウから弦高下げの分を算出してサドルの底辺を削り取っていきます。

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バイストップを平面に計測してから作業に入ります。

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数種類のヤスリでサドルの底辺を削りフラットに仕上げます。

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弦高を下げるとテンションが減ります。角度溝はまったく施されていないブリッジなのでテンション確保のために弦誘角度溝を切り込みます。

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ミニソーでサドルスロット近くまで溝を切っていきます。

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専用ヤスリで滑らかに仕上げます。

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ブリッジピンホールの弦誘角度溝加工は完了です。

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ブリッジピンとホールのサイズが合っていませんのでリーマーで拡げます。

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サドルの高さを削って弦高を低くしましたが弦誘角度溝を切り込みテンションは稼げました。

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最終的に弦高は6弦12F上で約2.5mmで調整。

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同じく1弦12Fの弦高は約2.0mmで調整。

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全体をチェックしてリペア完了です。鼈甲柄PGで顔つきが変わりました。自分好みにカスタマイズすれば愛着も深くなりますね。