Martin 000-28EC ブリッジ浮き修正・弦高下げ調整
マーチン000-28のエリッククラプトンモデルです。ヴィンテージルックスとヘリンボーンが特徴ですね。弦高が高いので低いアクションに調整とブリッジ浮きの不具合が進行してきていますので修正することになりました。
その他にネックヒールにも浮きがみられます。この症状が原因で弦高も高めなのですが修正するにはネックリセットが必要になってきます。予算的にも大掛かりなリペアになってしまうのと、他の部分での調整でどうにか弦高は下げれそうですので今回は見送る事になりました。
ブリッジ浮き部分のチェック。
ブリッジ浮き補修に入ります。マスキングテープで養生して液体膠をすり込みます。
クランプすると接着剤がどんどんはみ出してきますので乾く前にキレイに除去します。
しっかりとクランプして固着まで24時間待ちます。
現状の弦高は6弦12フレット上で約3.25mm。少し高い状態ですね。
同じく1弦側の弦高は12フレット上で約3.25mm。これでは弾きにくいですね。
サドルのチェック。下げ幅はあまりありませんがギリギリまで下げて調整していきます。
弦高の微調整です。バイストップを平面に計測してから余分なサドルの底辺を削っていきます。
数種類のヤスリでサドルの底辺を削りフラットに仕上げます。
弦高を下げるとテンションが減ります。テンション確保のために弦誘角度溝を切り込みます。
このギターは弦誘角度溝がほとんど作成されずに出荷された状態でした。
ミニソーでサドルスロット近くまで溝を切っていきます。
専用ヤスリで滑らかに仕上げます。
サドルの高さを削って弦高を低くしましたが弦誘角度溝を切り込みテンションは稼げました。
1弦はホントにギリギリです。
3フレットを押さえて1フレット上にできる隙間ギリギリまでナットの弦高調整をします。
弦を逃がしながら弦溝角度調整しながら弦高を下げます。
ナット工程完了。
ストラップピンの取り付けもご依頼いただきました。マーチンの場合取り付け位置に色々ありますがオーナー様ご指定で今回はこの位置に取り付けることに。
ピッチの合ったドリルで下穴を開けておきます。
取付作業。
マーチンは取り付け位置に悩みますね。ハイフレットを多用する方はこの位置では邪魔になるでしょう。
最終的に弦高は6弦12F上で約2.3mmで調整。
1弦12Fの弦高は約1.8mmまで下げれました。
全体をチェックしてリペア完了です。低いアクションで調整できたのでとても弾きやすくなりました。