Fender テレキャスター リフレット&レリック加工
友人のAsia Sun Riseと、とあるヴィンテージショップを訪れたときに52年製の本物テレを目の当りにしました。あまりにもの存在感を放つ楽器に惚れ惚れしながら帰ってきたのですがAsia Sun Rise氏所有のヴィンテレをリペアついでにホンモノっぽくレリックしたいと依頼を受けました。
レリックに関しては「見た目だけそれっぽく」の大人の遊び的なレリックです。ピックガードは54年までのベークライド素材のラッカーフィニッシュのリメイク物を使います。
ボルトオンネックをボディからはずします。
あたらしいピックガードの穴の位置が違うため一度ネジ穴えお埋めます。
穴の位置がずれないようにケガキを入れておきます。
新しい穴をビットで開けます。
ピックガードをボディに固定した後、ネックポケットの処理を行います。
ネックポケットとピッタリになるように加工していきます。
ネックも少しグラツキがあったので一度穴埋めしてから再度ネジ穴を開けます。
リフレット前に出来るだけネックをまっすぐの状態にします。
フレットを抜いていきます。
すべてのフレットが抜き終わりました。
フレット溝に残った木屑などをキレイにクリーニングします。
ネックのRを調べます。ナット付近は7.25Rです。
エンド付近も7.25Rと判明。
7.25Rの Caulを使用してフレットをプレスしていきます。
フレットにR加工を施していきます。
フレットをつかむように加工されたラジオペンチ。このラジオペンチ2本を使用してフレット1本ずつのRをつけていきます。
ハンマリングでのリフレットよりFret Press Systemを使用することでネックへの負担を軽減できます。
フレットの打ち込みが完了しました。
フレットエンドをくいきりでカットします。
Fret Beveling Fileでフレットエンドを35°の傾斜で削ります。
Fret End Dressing Fileでバリ処理を行います。
ここからはすりあわせです。低いポイントにマーキングをつけます。
マーキングしたところを中心にフレットトップを削っていきます。
すりあわせで出来た角を7.25Rに戻します。
フィンガーボードをマスキングしました。
Fret Fileでフレットトップの角を円く仕上げます。
ペンシルサンダーも使いながらフレットエンド部を滑らかにしていきます。その後ペーパーやスチールウールで磨きコンパウンドで仕上げます。
次はナットです。fenderのギターはナット溝にもRがついていますので測定します。ナット溝も同じく7.25Rと判明。
ナット材に7.25Rを写します。
ルーターでR加工を施します。
R加工が終わりました。
ナット材を削る線を書き写します。
オリジナルナットから6弦と1弦の位置を写します。
String Spacing Ruleで各弦の正確な位置をはじき出します。
ラフに弦溝を掘りました。
弦高傾斜角を微調整した後ナットを磨いていきます。
ブリッジも弦高調整しますがネックの仕込み角がきついのでシムの交換をします。。
オリジナルに入っていたシムは0.52mmでした。
メイプルのつき板をシムに使用します。
メイプルのつき板の厚みは0.22mm。ちょうど良さそうですね。
さてここから「見た目だけそれっぽく」の大人の遊び的なレリックです。いろんなブラシやステイン、金具などで経年劣化を再現します。
52年頃のテレキャスにはピックガードに独特な弾き傷がついています。再現が難しいレリックですね。
ボディにもステインなどで汚れを施しリペア終了です。1メートル離れてみれば立派なヴィンテージですね(笑)。