Fender テレキャスター リフレット&レリック加工

DSCF2245

友人のAsia Sun Riseと、とあるヴィンテージショップを訪れたときに52年製の本物テレを目の当りにしました。あまりにもの存在感を放つ楽器に惚れ惚れしながら帰ってきたのですがAsia Sun Rise氏所有のヴィンテレをリペアついでにホンモノっぽくレリックしたいと依頼を受けました。

レリックに関しては「見た目だけそれっぽく」の大人の遊び的なレリックです。ピックガードは54年までのベークライド素材のラッカーフィニッシュのリメイク物を使います。

DSCF2246

ボルトオンネックをボディからはずします。

DSCF2249

あたらしいピックガードの穴の位置が違うため一度ネジ穴えお埋めます。

DSCF2250

穴の位置がずれないようにケガキを入れておきます。

DSCF2251

新しい穴をビットで開けます。

DSCF2253

ピックガードをボディに固定した後、ネックポケットの処理を行います。

DSCF2254

ネックポケットとピッタリになるように加工していきます。

DSCF2256

ネックも少しグラツキがあったので一度穴埋めしてから再度ネジ穴を開けます。

DSCF2247

リフレット前に出来るだけネックをまっすぐの状態にします。

DSCF2257

フレットを抜いていきます。

DSCF2258

すべてのフレットが抜き終わりました。

DSCF2259

フレット溝に残った木屑などをキレイにクリーニングします。

DSCF2287

ネックのRを調べます。ナット付近は7.25Rです。

DSCF2288

エンド付近も7.25Rと判明。

DSCF2289

7.25Rの Caulを使用してフレットをプレスしていきます。

DSCF2291

フレットにR加工を施していきます。

DSCF2292

フレットをつかむように加工されたラジオペンチ。このラジオペンチ2本を使用してフレット1本ずつのRをつけていきます。

DSCF2290

ハンマリングでのリフレットよりFret Press Systemを使用することでネックへの負担を軽減できます。

DSCF2294

フレットの打ち込みが完了しました。

DSCF2293

フレットエンドをくいきりでカットします。

DSCF2295

Fret Beveling Fileでフレットエンドを35°の傾斜で削ります。

DSCF2296

Fret End Dressing Fileでバリ処理を行います。

DSCF2298

ここからはすりあわせです。低いポイントにマーキングをつけます。

DSCF2299

マーキングしたところを中心にフレットトップを削っていきます。

DSCF2300

すりあわせで出来た角を7.25Rに戻します。

DSCF2301

フィンガーボードをマスキングしました。

DSCF2302

Fret Fileでフレットトップの角を円く仕上げます。

DSCF2303

ペンシルサンダーも使いながらフレットエンド部を滑らかにしていきます。その後ペーパーやスチールウールで磨きコンパウンドで仕上げます。

DSCF2304

次はナットです。fenderのギターはナット溝にもRがついていますので測定します。ナット溝も同じく7.25Rと判明。

DSCF2305

ナット材に7.25Rを写します。

DSCF2306

ルーターでR加工を施します。

DSCF2307

R加工が終わりました。

DSCF2308

ナット材を削る線を書き写します。

DSCF2318

オリジナルナットから6弦と1弦の位置を写します。

DSCF2319

String Spacing Ruleで各弦の正確な位置をはじき出します。

DSCF2323

ラフに弦溝を掘りました。

DSCF2325

弦高傾斜角を微調整した後ナットを磨いていきます。

DSCF2324

ブリッジも弦高調整しますがネックの仕込み角がきついのでシムの交換をします。。

DSCF2326

オリジナルに入っていたシムは0.52mmでした。

DSCF2327

メイプルのつき板をシムに使用します。

DSCF2328

メイプルのつき板の厚みは0.22mm。ちょうど良さそうですね。

DSCF2331

さてここから「見た目だけそれっぽく」の大人の遊び的なレリックです。いろんなブラシやステイン、金具などで経年劣化を再現します。

DSCF2333

52年頃のテレキャスにはピックガードに独特な弾き傷がついています。再現が難しいレリックですね。

DSCF2332

ボディにもステインなどで汚れを施しリペア終了です。1メートル離れてみれば立派なヴィンテージですね(笑)。